誰だって将来性のない業界には参入したくありません。
アフィリエイト業界に将来性はあるのか?
アフィリエイターが増えすぎて飽和しているのでは?
今からアフィリエイトを始めてもまだ間に合うのか不安だ。
先行者が利益を独占して、もう稼げないのでは?
少しまじめに考えていきます。
さくっと方向だけつかみたい場合は、「見出し、太字、蛍光ペン」の3ポイントだけ拾い読みしてください。
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いまさら始めても遅いのでは?
アフィリエイト業界は先行者だけが勝てる業界だと思っていませんか?
確かに、一番乗りの人達だけが独占できる一部のポジションはありますが、後から追い越せるジャンルもあります。
むしろ、先発組の失敗をみたり、スマホが主流になってきた時代に始めたりするからこそ有利になる部分も多いと思います。
さらに日本という国の消費者市場はかなり成熟化しており、今後個人のニーズがますます細かく分かれていくでしょう。そうなれば、いつでも新しいニーズが生まれていく状態となり、後から参入しても狙えるスキマは見つかるということです。
アフィリエイト市場はネット通販の市場次第
アフィリエイトというのは基本的には商品販売チャネル、広告戦術の一つです。そう考えればネット通販の市場(EC市場)が伸びる限りアフィリエイト市場も伸びると推定できます。
ではEC市場の動向は今後拡大していくのか?
経産省:「平成25年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)」の結果公表について(調査結果要旨)
この図をみると、日本のEC市場規模は継続的な上昇傾向を示しています。特にEC化率というところに注目してください。EC化率は簡単に言うと「全小売り商取引のうち、どれだけの割合がネット経由か」という指標です。この資料では2013年のEC化率は3.7%です。前々から日本のEC化率は低いと言われていますが、これが世界的な水準まで上がるなら、まだ倍くらい伸びる余地があると考えることができます。
スマホの、より一層の普及も今後のEC市場拡大に貢献するはずです。
アフィリエイト市場規模の今後は?
2年前の資料ですが、アフィリエイト市場の成長を直接予測している資料もあります。
つい最近までアフィリエイトの市場規模は1,000億円前後という情報がよく使われていましたが、この資料によると2015年のアフィリエイト市場規模予測値は1,659億円となっています。(矢野経済研究所「アフィリエイト市場に関する調査結果 2012」)
これらの資料から実際、EC市場も伸びているし、アフィリエイト市場も成長していく公算が高いことがわかりました。
唯一懸念されるのは、「EC市場が成長しても、アフィリエイトという形態の広告は減っていく」というシナリオです。しかし、今更アフィリエイターが閉め出されるとも思えません。
私自身、アフィリエイト広告を出稿する側に回ることもありますが、成果報酬型という、成果測定のできる広告スタイルは費用の管理がしやすく、特に新規客開拓キャンペーンには欠かせないからです。
ソーシャルメディアの拡大傾向もあいまって、個人が個人に商品を紹介していくというスタイルは今後、より一層伸びていくのではないでしょうか?
その他の参考データ
今後の動向についてさらに詳しく見たい人は下記リンクも参考になります。
野村総研「2017年度までのIT主要市場の規模とトレンドを展望」
→B2C EC市場、及びインターネット広告の欄をみてもまだ伸びしろがあると読める。
MM総研。「個人消費動向に関する市場規模調査」
→2015年までECの市場規模の2桁成長を予測している。
市場が成長しても、アフィリエイターの数自体が増え続けたら飽和しませんか?
ごもっともな意見ですが実際どうでしょうか?
2つの視点から考えてみます。
2極化は変わらないから人が増えても大丈夫
一部の稼げる人と、大多数の稼げない人の構図は今後も変わらないはずです。
「起業独立して1~2年後に生き残る人は全体の1割程度」という話は聞いたことがあるかと思います。私が15年前に起業した時も同じような話を聞きました。要するに、社会の構図的なものはそんなにすぐには変わらないのかと思います。アフィリエイトも副業とは言え「業」である以上は、起業です。よく言う「9割は稼げない」という話も納得がいきます。
しかし、あなたがまじめにやって稼げるアフィリエイターになるなら、恐れることはありません。アフィリエイトの「稼げない」人達の統計には超テキトーに片手間でやっている人達もカウントに入っているからです。アフィリエイターがどんどん増えても、大多数は稼げないままの状態なので、人数だけ見てもあまり意味はないかと思います。
市場規模が拡大するなら、勝ち組の収入がもっと増えていく図式すらありえます。本気で取り組む人ほど、まだまだアフィリエイト業界は面白くなっていくということです。
逆にアフィリエイターがもっと頑張らないとEC市場は飽和させられない。
経産省の統計によれば 2013年時点でBtoC-EC市場規模は 11.2 兆円となっています。同年のアフィリエイト市場規模が1,461億円規模だとして、アフィリエイト報酬率を平均10%(市場規模の算定には諸費用等も含まれることを考慮にいれて設定)とするなら、アフィリエイト経由のEC売上規模は単純に1兆4,610億円です。
あり得ないと思いますが、アフィリエイターが今の8倍近く売ってようやくEC市場が飽和する計算です。下図の青い棒グラフと灰色の棒グラフを比べるとよく分かります。
オレンジ色の折れ線グラフ「アフィリ売上割合*3」をみると、年々数値が減ってしまっています。EC市場の伸び率が、アフィリ市場の伸び率を超えている限り、この傾向になります。アフィリエイト経由の売上が飽和するどころか、まだまだ足りないと読むこともできます。
この傾向はアフィリエイト料率が業界全体で大きく動かない場合には成り立ちますが、怖いのは料率が年々下がっていくパターンです。(折れ線グラフの傾きが変わってしまいます。)但し、成果報酬はアフィリエイトの最重要ポイントですので、下げるにも限度があるはずです。
注釈(言い訳)
※私の推定が外れてもそこはご愛嬌!あくまである程度の方向性をつかむことが趣旨です。 参考までに計算表をのせておきます。
個別の商材に対する需要が飽和することはある
アフィリエイト業界全体が飽和しないとしても、商材によっては市場が飽和している場合があります。
一般的にアフィリエイターが「飽和」について考えるのはこの場合が多いかも知れません。競合商品なども含め、供給側が上回っている商品はなかなか成約しません。
例えば、携帯電話の新規契約を取るなんてことは今時難しそうです。当たり前ですが、商材自体に将来性の感じられないものを扱うと、苦労だけ増える可能性が高いです。
本当は売れないものでも、売れるように市場開拓する話なども掘り下げたいのですが、それはまた別の機会にまとめたいと思います。
まとめ
希望がわいてきたでしょうか?
ここから浮かび上がってくるアフィリエイト業界の今後は・・・
アフィリエイト市場はまだまだ伸びていく
今から始めてもまだ間に合う
アフィリエイターの数自体増えても関係ない
売れない商品はいつの世も飽和している
IT技術もマーケティング手法も進化している。先行者が勝つとは限らない
これからの勝ち組は今まで以上に稼げる可能性がある
アフィリエイト料率が年々下がっていくシナリオは怖いが、限界はあるはず
といったところでしょうか。
市場規模が今後数年は順調に増えるとして、今取るべき戦略は、それまでにしっかりとした基盤を作ることかと思います。数年というのは十分な時間ですし、価値あるデジタル資産(ブログ、メルマガ、動画コンテンツ等)を作ってお客をつかんでおけば、その後市場が伸び悩んでも生き残れるはずです。
それではまた!
出典資料一覧
「平成25年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)」の結果公表について(調査結果要旨)
MM総研
「個人消費動向に関する市場規模調査」
矢野経済研究所
「アフィリエイト市場に関する調査結果 2012」